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一般社団法人山梨県河川防災センター紹介

富士川の歴史は、洪水との闘いの歴史であったと言っても過言ではありません。先人たちは数多くの洪水と闘いながら今日の流域を築いてきました。豊かな自然に恵まれ、安全な地域社会と明るい未来を実現していくためには、富士川流域の保全に最優先で取り組まなければなりません。それを進めるに当たって、河川環境の適切な保全と節度ある利用、そして新たな視点に立った地域づくりは欠かすことができない課題です。

自然の脅威である洪水などの災害から生命、財産そして地域社会を守るため、自然環境との共生を理念とし、安全で豊かな河川環境の創出を目指して、昭和54年1月に任意団体山梨県河川環境センターとして発足しました。そして、10月には公益法人となり社団法人山梨県河川防災センターが設立されました。

昭和30年代からの高度経済成長や東京オリンピック支えた社会基盤整備に伴ない、山梨県内の河川から良質な骨材が採取され、河川環境が悪化、荒廃が著しくなっている状態から、山紫水明の山梨県の河川に相応しい河川を取り戻し、これを守る目的で、社団法人山梨県河川防災センターは、昭和48年度に定められた特定砂利採取事業に伴う対策工事(河川法20条工事)を砂利採取協同組合から受託し、行政に協力して、主として地域防災上の見地から、県内河川の適切な河川の保全及び対応策を実施しています。

河川は生きもので、洪水の度に大きく河床は変動します。特採事業はそのコントロール、調整の役目を負っているのです。特に、富士川のように河床変動が大きく、土砂生産流送量の大きい河川では、この特採制度が河床の安定化に大きな役割を果しています。特採が無ければ、堆積が進み、天井川化がさらに進み、本川のみでなく、支川にも天井川化が波及してしまいます。

富士川の対策工事としては、護岸、水制、根固工、橋脚の補強工事、河川標識の設置や、河川美化、愛護等の啓もう、各種イベント等に協力。特採事業で実施した護岸工事等の河川工事は、国直轄の富士川河川改修工事の約3割を補完し、大きな役割を果しています。

その一方で、富士川近隣に対して、低廉で良質な骨材の安定供給に大きく寄与。山梨県内の公共事業の施行に大きく貢献しています。

さらに、釜無川信玄堤、笛吹川万力林等の設置により、訪れる観光客に武田信玄に始まる甲州流河除法の治水工法の歴史を説明するなど、富士川の幅広いPRにも大きな役割を果しています。